受賞作品・応募作品
路上文学賞実行委員会では、第1回から第4回までの受賞作品・応募作品をより多くの方に読んでいただくために一つの冊子にまとめました。
印刷して冊子にして頂いても、Kindleなど電子書籍にダウンロードして頂いても読みやすいようプロの編集者らによる受賞作品集となっております。
是非路上文学の世界を楽しんでいってください。
「缶ちゃんいるか、今日は出かけないのか」 「ん、パンク直してから出かけるよ」となりの小屋の缶太郎が缶助に声をかけたら返って 来た言葉である。この缶助が缶太郎のとなりに来て、小屋を作ってから今年の冬で、三年 目である。ここは東京神奈川の間を流れる、多摩川の、かせんじきだ。別名多摩川村とも 言う。
ネコと一人の男と多摩川(川岸生男) 第4回 路上文学賞 大賞
エンドレス(Endless)終わりがないこと シュガーレス(Sugarless) 糖類が0.5g 未満であること ホーム(Home) 「家」や「家庭」というものを思い浮かべるとき、ぐらぐらと 急に足許が おぼつかない 不安定な気持ちになります。
エンドレス シュガーレス ホーム(鳥居) 第3回 路上文学賞 大賞
私が 27歳でホームレスデビューをしてから早くも 13年もの歳月が流れた。その間に私は いつの間にか東京で楽しく路上生活をするための“東京路上生活マニュアル”を作り 上げてしまったのだ。
東京路上生活マニュアル2 (河野開司) 第2回 路上文学賞 佳作
最初はかすかないわかん ことばにするならそれは痛み あるはずのない痛み わたしの体には宿るはずのない痛み 人はそれをココロと名付けた
ココロ / キセキ(小川武志) 第1回 路上文学賞 大賞
釜ヶ崎の朝は早い。午前4時を回ると、街灯の薄明かりの中、人々が、どこともなく現れ、あいりん労働福祉センターの周りを周回している。それは、あたかも、アリが巣穴から出てきて、周辺を徘徊っているような光景である。
ホームレスギャンブラー(川端欽二) 第2回 路上文学賞 大賞
路上文学賞とは
路上文学賞とは、「ホームレス生活者、または経験者であること」を唯一の応募条件とした文学賞です。
多くの人々にとって触れ合うことの少ないホームレス生活者と皆さんが一同に会する場として、路上文学賞はこれまで過去4回に渡り開催して参りました。回を重ねるごとに応募者、読者の数は増え、特に第4回はクラウドファンディングにより様々な方に支えて頂くなど、少しずつその規模を広げてきました。
路上生活者にとっての表現の場、そして、そこに集う読者と共に盛り上がれる大きな祭りのような存在でありたいと私たちは路上文学賞をこれからも開催して参ります。

過去の実績
2010年から既に4回の路上文学賞を実施しました。
過去の応募作品は全国から130点以上。各地域の支援団体様からご協力頂いております。
クラウドファンディングにて100人以上の方から50万円を超える支援をいただきました。
テレビ・ラジオ・新聞など、これまでに100を超える様々なメディアに取り上げて頂いております。